ACS Nano:精密3D印刷とイオントロニック圧力センサーについて

イオントロニック圧力センサーはロボットの皮膚触覚や健康状態の検出、VR(バーチャル・リアリティ)などのアプリケーション技術には必要不可欠です。しかし、これまでのイオントロニック圧力センサーは非線形応答と狭い圧力範囲に悩まされ、ロボットなどの性能に制限があるのが現状です。

最近、研究者たちはBMF社精密3DプリントとPDMSとPVA樹脂を用いた樹脂キャスティングを用いて、新しいフレキシブル圧力センサーを開発しました。その製作プロセスを下図に示します。注目に値するのは、BMF社製3DプリンターS130(光学解像度:2μm)で製作した初期モデルの小柱直径が28μm、高さは僅か70μmということです。

この研究成果は、権威ある雑誌ACS Nanoにて「Graded Interlocks for Iontronic Pressure Sensors with High Sensitivity and High Linearity over a Broad Range」というタイトルで掲載されました。

Fig.1 BMF社製精密3DプリンターS130(光学解像度:2μm)及びPDMS/溶融成形用PVA樹脂などの工程で製作したイオントロニック圧力センサー)

このイオントロニック圧力センサーは感度、応答直線性、検出範囲、応答速度などの面で優れた特性を有し、より高性能なフレキシブル圧力センサーの製造に新たな可能性を提供するものです。

  • ■ 直線形応答がR2 > 0.995。
  • ■ 最大感度が49.1 kPa-1
  • ■ 最大圧力検出範囲が485kPa。
  • ■ 応答緩和時間(response-relaxation time)は5 ms未満であり、最大振動周波数200Hzまで検出することが可能。
Fig.2 高感度、応答直線性、広い応答範囲などを備えたイオントロニック圧力センサ

また、この上記圧力センサーをロボットアームに搭載し、物体を把持して重量を測定し、機械学習と組み合わせることで、88%以上の精度で測定することに成功しました。【PR】

Fig.3 イオントロニック圧力センサによる物体重量の測定

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