ハイドロゲルと精密3Dプリント技術を用い、太陽光水蒸気発生装置を開発

国連の予測によると、2025年までに世界人口の半分が水不足に直面すると言われている。 そのため、安全で安価な飲料水への公平なアクセスは、国連の「持続可能な開発目標」の最重要課題の一つとなっている。 新型コロナウィルス感染症の流行により、水問題はさらに深刻化し、手洗いのための清潔な水へのアクセスさえも問題になっている地域がある。

近年、太陽電池による直接駆動型水蒸気発生装置(Direct solar-driven vapor generation device, SVG)は、実現可能で環境に優しく、非常に有望なソリューションであることが証明されている。これにより、飲料水資源への負荷を軽減し、携帯用浄水器として使用できるようになる。

水を蒸発させるのに必要なエネルギーを削減し、太陽熱エネルギー変換効率を高めることができる新材料の開発は、SVGアプリケーションの産業化を加速するための重要なステップとなっている。 この点、ハイドロゲルはそのユニークな特性から、SVG研究者の間で注目度が高まっている。 すでにハイドロゲルを使って、単位日射量(1回の日射量、1kW/m2)/1時間/1平方メートルあたり2.5kgの水の蒸発速度を出す研究者もいるが、太陽エネルギーの利用率はまだ低いのが現状である。

アラブ首長国連邦とパキスタンの研究チームは、特別に調合したハイドロゲルと酸化鉄ナノ粒子を印刷材料として用い、BMF社製の精密3DプリンターmicroArch® S130(光学解像度=2µm)で新しいタイプのSVGを製造した。この新型SVGは太陽光吸収効率を高め、水の蒸発に必要なエネルギーの閾値を効果的に下げるだけでなく、3Dプリンターで作られた特殊な内部流路により、SVG表面に素早く水を補充することができる。この方法で製造されたSVGは単位日射量/一時間/1平方メートルあたり5.12kgの蒸発量を達成している。

この研究は、グリーン・エネルギーと環境配慮素材に焦点を当てている新しい学術誌「EcoMat」に、「Direct solar vapor generation with micro-3D printed hydrogel device」というタイトルで掲載されている。

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