セアトが3Dプリンティング研究所を開設

スペインの自動車メーカーのセアト(SEAT)が、3Dプリンティング研究所を開設した。スペイン・バルセロナにあるプロトタイプ開発センターの敷地内に設置されたと現地時間の今週、セアトが発表した。センターでは、各種のプロトタイプ製造に加え、ラピッドツーリング・マニュファクチャリングの実験や、一部の完成品パーツの製造などが行われる。

研究所にはパウダーベッド・フュージョン3Dプリンターやマテリアルジェッティング3Dプリンターなどを含む9台の3Dプリンターが導入される。研究所は24時間体制で運営され、一日あたり50点の部品製造を目指すとしている。

ノーバート・マルティン所長は、「最大のメリットのひとつは、モノづくりのあらゆる局面に高精密なデザインの部品を提供することが可能になることです。従来の製造方法ではありえなかったことです。これまでにかかっていた製造時間を大きく短縮し、一日程度で製造することも可能です。デザインの変更も迅速にでき、日替わりでデザインを調整することができます」とコメントしている。

セアトは1950年にイタリア・フィアット社の出資によりスペインの国策自動車会社として設立された。1980年のフィアットによる資本撤退まで、一貫してフィアットのモデルをライセンス生産してきた。1982年からはフォルクスワーゲンと業務提携し、1993年には同社により完全子会社化された。日本へは正規輸入は行われていない。