アメリカ陸軍がFDM3Dプリンター用マルチサーモプラスチック・フィラメントを開発

アメリカ陸軍がFDM3Dプリンター用マルチサーモプラスチック・フィラメントを開発した。ABSとポリカーボネートを組み合わせたもので、通常のABSの1500%の強度が得られるとしている。一般的なFDM方式の3Dプリンターで利用できる。

開発にあたったアメリカ陸軍のジェフ・ワレス氏は、「高強度ポリマーを素材にしたアディティブ・マニュファクチャリングパーツを戦場で製造することで、最前線のロジスティクスをより効率化することができます。何日間も補給を待つ必要がなく、しかもわずかなコストで必要なものを自作できるのです。これまでのように、何千ドルものお金を払う必要がありません」とコメントしている。

アメリカ陸軍は、これまでにアディティブ・マニュファクチャリング技術を積極的に導入してきた。デラウェア大学と共同で、RobozeのARGO500 3Dプリンターを使った高温溶融3Dプリンティング技術の研究プロジェクトなども行っている。

3Dプリンターを軍事目的に活用する機運は世界的に高まっている。アメリカ空軍が保有する航空機の部品製造に3Dプリンターを活用している他、アメリカ海軍も空母エセックス艦内に3Dプリンターを設置し、各種の部品作りなどを行っている。3Dプリンターは、特定のサプライチェーンに依存しないので、今後も軍事的な利用が広まると見込まれている。