介護施設でのフード3Dプリンターの導入が拡大

介護施設でのフード3Dプリンターの導入が拡大している。スペインのフード3DプリンターメーカーのFoodiniによると、同社のフード3Dプリンターは、嚥下障害を抱える高齢者が入居する介護施設での活用が広がっているという。

Foodiniの共同創業者のリネット・カスマ氏によると、同社は当初、ホテル、レストラン、ケータリングなどの飲食業のセクターでの利用を想定してフード3Dプリンターを開発したという。しかし、実際の需要は限定的で、出荷数も予定以下にとどまったという。カスマ氏は、「我々の当初のビジョンは、フード3Dプリンターを飲食店や一般家庭における新たなアプライアンスとして普及させることでした。しかし、そのビジョンは、やや早すぎたようです。家庭用コーヒーメーカーが今日までに家庭に普及するのに30年から40年を要しました。家庭でフード3Dプリンターが普及するには相応の時間を要するでしょう」とコメントしている。

Foodiniのフード3Dプリンターは現在、スペイン、日本、シンガポール、オーストラリアなどの各国の介護施設で試験的に導入され、高齢者用オンデマンド調理器として利用されている。素材は介護施設の管理栄養士がユーザーのニーズや健康状態に合わせて開発している。

フード3Dプリンターを開発する機運は今日までに世界的に高まったが、フード3Dプリンター自体の普及は進んでいない。