大林組が3Dプリント実証棟「3dpod」を公開

大手ゼネコンの大林組が、自社の技術研究所内で建設していた3Dプリント実証棟「3dpod」を公開した。延床面積約27㎡の「3dpod」は、3Dプリンターで建設された建築物として国内で始めて建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を取得した。構造物のすべてが3Dプリンターで作られており、壁も現地で3Dプリンターでプリントされたという。

素材には常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」が使われており、耐久性、構造、環境性能などの評価が行われる。また、建設3Dプリンティング技術の広報施設としても使われる予定。

建設3Dプリンターは、複雑な形状のデザインの建築物を建設できるのみならず、建設時の資材ロスや二酸化炭素排出量を削減でき、さらに建設自動化による省人化の効果などが期待される。大林組は今後、今回のノウハウを活用して複数階や面積規模を拡大した構造物などの建設につなげてゆきたいとしている。

現在欧米を中心に世界各地で建設3Dプリンターの導入が進んでいる。日本の建設業界は建設3Dプリンターの導入で遅れをとっているが、大手ゼネコンの本格参入により我が国の建設3Dプリンターの導入が進むか注目される。