3Dプリンター用フィラメント市場が2027年までに19億ドル規模へ

全世界の3Dプリンター用フィラメント市場が、2027年までに19億ドル(約1995億円)規模へ拡大すると予想したレポートが発表された。

アメリカの市場調査会社グランドビュー・リサーチがまとめたレポート「3Dプリンティング用フィラメント製品別市場規模・トレンド分析」によると、主にデスクトップFDM3Dプリンターで使われるフィラメント市場は、2019年から年率19%の成長率で成長を続け、2027年に同規模に到達するとしている。産業セクターでは、自動車、航空宇宙、防衛、医療などが市場拡大を牽引するとしている。

素材別ではPLAのシェアが39.7%と最大で、今後も同様のシェアを維持するとしている。PLAは今後、生分解性の製品やリサイクル製品が多く市場に投入されるとしている。また、ABSも同程度のシェアを維持するとする一方、PEEKなどのエンジニアリングプラスチック、デュラブル・コンポーネント、カーボンファイバー配合フィラメントなどの高機能フィラメントの利用が拡大するとしている。

エリア別では北米市場が最大のシェアを2027年まで獲得するとしたものの、アジア太平洋地域の高い成長が見込めるとしている。アジア太平洋地域では、特に中国、インド、日本などの国で特に消費が拡大するとしている。中でも中国は、国策の「アディティブ・マニュファクチャリング産業開発計画」に基づき、一定規模の国家予算がアディティブ・マニュファクチャリングに投入され、フィラメントなどの素材の消費を拡げるとしている。