テックショップが破産申し立て、アメリカ国内の全店舗を閉鎖 https://cadcamreviews.com/place/techshop/

現地時間の今月15日、アメリカの会員制ファブラボチェーンのテックショップが連邦破産法第7条を申し立て、経営破綻した。アメリカ国内の全店舗は閉鎖された。

テックショップは2006年にサンマテオカレッジ教員のジム・ニュートンとリッジ・マギーがシリコンバレーに設立した。3Dプリンター、レーザーカッター、ウォータージェットカッターなどの各種の工作機器を設置し、会員に利用させる仕組みだった。

テックショップはメーカームーブメントのトレンドに乗り、シリコンバレーの一号店からサンフランシスコ店、ニューヨーク店、セントルイス店など、往時は全米10店舗の規模にまで拡大した。2016年にはオバマ大統領が訪れるなど、アメリカの新たな時代のモノづくりを象徴する店舗だった。

「我々は著しく低いキャッシュバランスでの運営を余儀なくされていました。テックショップを運営し続けるためのあらゆる努力をし、外部からの救済を求めて話し合いを続けてきました。しかし、従業員や講師への給与支払いなどのコストを賄う事が出来ませんでした」とテックショップのダン・ウッドCEOはコメントしている。

テックショップは賃料相場の高い都市部に設置され、また講師などを多数配置するなどしてオペレーションコストの高さが一部で指摘されていた。各店舗では一定数の会員数を確保出来たものの、オペレーションコストを上回る収益が得られなかったと見られる。

テックショップが閉鎖された事により、テックショップ内の工作機器を利用していた少なくない数のモノづくり系スタートアップ企業・中小企業が影響を受けると懸念されている。

なお、東京、アブダビ、パリ、リールの各都市にあるアメリカ国外のテックショップは従来通り運営される。