ミシガン州検察庁が3Dプリンティング・サービスビューローを捜査

ミシガン州検察庁が州内の3Dプリンティング・サービスビューローを捜査している。

捜査を受けているのはミシガン州トラバースシティに拠点を置く3Dプリンティング・サービスビューローのドリームラブ・インダストリーズ。訴えによると、ドリームラブ・インダストリーズはN95マスクなどの新型コロナウィルス関連医療用品を予定通りに出荷せず、顧客に被害を与えたとしている。

新型コロナウィルスの感染拡大により、ドリームラブ・インダストリーズは今年三月から通常の3Dプリンティング業務を停止し、N95マスクや人工呼吸器用部品などの製造を行っていた。ところが、製品の多くが予定通りに出荷されず、今もなお出荷の見通しが立っていないという。

また、ドリームラブ・インダストリーズが自社のウェブサイトで集めていた医療機関従事者への寄付金を、N95マスク製造用の原料の調達に充てていたという疑いもかけられている。

ドリームラブ・インダストリーズのブランドン・ウィリアムズCEOは、「(製品の出荷が出来ていないのは)単に作業が遅れているだけです。詐欺だという指摘はあたりません。我々は注文に応じていますが、製造に必要な原料が調達できていないのです」と説明している。

ある顧客は、ドリームラブ・インダストリーズからは当初、発注から7日から10日で製品を納品すると伝えられていた。ところが、発注から数カ月経った今も納品されていないという。

新型コロナウィルスの感染拡大が続くアメリカでは、多くの3Dプリンティング関連企業がマスクやPPEなどの医療物資の製造を行っている。医療物資の製造をめぐり、3Dプリンティング関連企業が検察当局の捜査を受けるのは極めて異例の出来事といえる。