ゾートラックスが人工衛星用電子回路基板用パーツを3Dプリンターで製造

ポーランドの3Dプリンターメーカーのゾートラックスが、人工衛星用電子回路基板用パーツを3Dプリンターで製造したとして話題になっている。2019年から欧州宇宙機関と共同で取り組んできたもので、WISAウッドサット衛星に搭載される。

欧州宇宙機関のプロセスエンジニア、ウゴ・ラフォント氏によると、欧州宇宙機関はゾートラックスに独自にブレンドした二種類のPEEK素材を使ってパーツの製造が可能か打診したという。ゾートラックスは、自社のEndureal3Dプリンターを使ってテストを行い、実際に製造が可能であることを確認した。

ラフォント氏は、「我々は近年、ポリエーテル・エーテル・ケトンつまりPEEKと呼ばれる素材を使った3Dプリンティングの研究を重ねてきました。PEEKは非常に強固なサーモプラスチックで、最大350℃の耐熱性を有しており、鉄のパーツと同様の機能も有しています。ある時ゾートラックスが安定したデュアルプリント型の3Dプリンターを有していることを見つけ、彼らに打診したのです」と経緯を説明している。

ゾートラックスは2013年設立。独自開発したLPD(layer plastic deposition) ベースのFDM3Dプリンターを開発し、主にアメリカとヨーロッパを中心に販売している。