イギリスの研究チームが、ムール貝と小麦から3Dプリンター用形状記憶PLAフィラメントを製造したとして話題になっている。形状記憶PLAフィラメントを開発したのはノッティンガム・トレント大学のモハマドゼラ・ララガニ氏、カルム・ブランフット氏らが率いる研究チーム。プロジェクトには、イギリス政府傘下の英国立素材開発センターが資金供与したという。
研究チームはフィラメントの組成に最適なムール貝と小麦の配合比率を導き出し、3Devo社製のフィラメントメーカーでフィラメントに生成したとしている。フィラメントは、一般的なFDM方式の3Dプリンターであれば出力が可能であるとしている。研究チームは、フィラメントの溶融温度を190℃に、ヒートベッドを60℃に設定するようアドバイスしている。
フィラメントは形状記憶性能を有するだけでなう、一般的なPLAフィラメントよりもエコフレンドリーで耐熱性に優れていることから、食品パッケージなどでの利用を推奨するとしている。
ノッティンガム・トレント大学は、英ノッティンガムに拠点を置く1843年設立の国立大学。イギリスの大学の中でも最も規模が大きい学校のひとつで、約2万4千人の学生が学んでいる。