Ten Telescopesの3Dプリント製天体望遠鏡で天文学が身近に

ブライアン・ミッシェルは、星空観望体験を世界的に手頃にするための探求を続けており、3D印刷技術はその成功の鍵を握っている。

1970年代後半、市販の望遠鏡で木星の衛星を見たことが、ミッシェの天文学への情熱に火をつけるきっかけとなった。以後、彼は自分の魅力を分かち合いたいという欲求に駆られ、数年前には遂に姪のために低価格の望遠鏡を作った。

その成功に触発され、ミッシェルはTen Telescopesを設立し、自身の3Dプリントデザインを使って天文学愛好家のコミュニティを育成している。ゲルフの自宅にあるブルードア天文図書館は、望遠鏡の設計図やマニュアルの拠点となっている。隣接するベントネイル天文台では、ボランティアがプリントしたての望遠鏡を組み立てている。

Ten Telescopesはユニークな形で運営をしている。望遠鏡を作る前に、個人や学校、団体がミッシェルの天文図書館から望遠鏡を借りることができるのだ。このコレクションには、ほとんどのスマートフォンのカメラに対応するアダプターも含まれており、伝統的な星空観察と現代のテクノロジーをうまく融合させている。

伝統的な望遠鏡には高額な値段がついていることが多く、天文学者のたまごを同分野から遠ざけている。ミッシェルの3D印刷製スカイワード150は、300ドルから350ドルの比較的安価な部品を用いることで、「天文学を学ぶことは高額である」という従来の常識を覆す。この望遠鏡には、ミッシェルの息子の会社、tundra3d.caから提供された耐久性のあるABSプラスチックが使われている。製品デザインも思慮に富んでおり、ベース部分には望遠鏡のアライメントを崩すことなくスマートフォンを取り付けられるよう、カウンターバランスが付いている。

Ten TelescopesはSkyward 150だけでなく、GitHubのようなプラットフォームでのオープンソース・イニシアチブを通じてその影響力を拡大している。この協調的なアプローチは、世界中の熱狂的なファンを招いた上で設計プロセスに貢献してもらい、複数人でデザインを向上させることを可能にする。

ミッシェルのプロジェクトは、3Dプリンティングが望遠鏡の入手しやすさに革命をもたらし、天文学が手頃な価格でより多くの人々に体験してもらえるようになる可能性を示している。このテクノロジーが進化し続けるにつれて、将来はさらに幅広い星空観察が可能になり、広大な宇宙の天蓋の下で世界中の愛好家がひとつになることが期待される。