スウェーデンの研究チームがナノセルロースとハイドロゲルを用いた3Dプリント建築部品を開発

ヨーロッパ屈指のエリート名門工科大学の1つと言われるチャルマース工科大学とワレンバーグ木材科学センターの研究者が、ナノセルロースと藻類をベースとしたハイドロゲルを建築部品の3Dプリントに使用する、従来の工法に代わる環境に優しい工法を開発した。Materials and Design誌に詳しく掲載された当研究は、建築用途におけるこの新素材の多用途性とエネルギー効率に焦点を当てている。

多大な資源消費と炭素排出を伴う建設業界の環境への悪影響に対する懸念が高まる中、持続可能な代替材料への需要が急増している。林業や農業など豊富な資源に由来するナノセルロースは、その生分解性と再生可能性から有望な代替材料候補として浮上している。

研究チームは、藻類由来のアルギン酸塩をナノセルロースのマトリックスに組み込むことで、柔軟性と構造的完全性が強化された印刷可能な材料を作製した。3Dプリンティングを活用することで、最小限のエネルギー消費量でさまざまな建築要素を製造することが可能であることが実証された。

さらに、この研究はバイオベース材料の可能性を最大限に活用するための設計革新の重要性を強調している。研究者らは、さまざまな堆積経路とデザイン構成を探求することで、ナノセルロースをベースとする建築製品の機能的・審美的側面の両方を最適化することを目指している。

この研究は、循環型経済と環境スチュワードシップの原則に沿った、より持続可能な建築環境の実現に向けた重要な一歩となる。建築業界が新たなバイオマテリアルとデジタルファブリケーション技術を取り入れるにつれ、より環境に優しく、より弾力性のある構造への道筋がより明確になっていくだろう。