新型コロナウィルスの感染拡大による3Dプリンティング関連市場の経済被害額が300億ドルに

新型コロナウィルスの感染拡大による3Dプリンティング関連市場の経済被害額が300億ドル(約3兆2400億円)に達すると試算したレポートが発表された。

アメリカの市場調査会社マーケッツ・アンド・マーケッツのレポート「COVID-19の3Dプリンティング市場に対するインパクト」と題されたレポートは、2020年の全世界の3Dプリンティング関連市場規模を114億ドル(約1兆2312億円)と見積もっていたところ、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、全体で19%程度低下したという。市場への悪影響は2025年まで続き、総額で300億ドル程度の経済活動が逸失するとしている。

3Dプリンターを含むハードウェア関連の売上は、新型コロナウィルスの感染拡大以前に受注したものが多く、今年前半においては大きな影響を受けていない。しかし、今年後半から経済活動の停止による影響が出始め、売上を大きく下げる企業が増加するとしている。

3Dプリンター用素材市場も同様に、今年後半から売上の低下に見舞われるとしている。特に、PPEと呼ばれる医療用物資の製造に多くの素材が使われたが、それらの多くが無償または低価格で供給され、結果的に売上を落とすとしている。

同レポートは、全世界の3Dプリンティング関連市場は、早ければ来年中頃にも回復軌道に戻る可能性が高いと予想している。