トロントの自動運転バス走行実証実験プロジェクトが中止

カナダ・トロントで行われていた自動運転バス走行実証実験プロジェクトが中止になった。先月1月14日に発表された自動運転バスOlli開発元ローカルモーターズの事業停止を受けての措置とみられる。

トロント市のプレスリリースによると、当初予定していたプロジェクトの実施期限である2022年2月28日までに有人での走行実験開始の目途が立たないなどの複数の理由により中止となったとしている。

トロント市はまた、昨年2021年12月16日にトロント近郊の街ウィットビーで発生したOlliの衝突事故を受け、プロジェクトの運航許可を取り消したとしている。この事故により、Olliの運転を監視していた23歳の保安用運転手が怪我をし、トロントの救急医療センターへ搬送された。トロント警察によると、事故を起こしたOlliは当時マニュアルモードで運航され、衝突防止システムが切られた状態にあったという。

Olliは定員8名の自動運転バスで、無人走行モードで最大時速20キロメートル、マニュアルモードで最大時速40キロメートルで走行できるとしていた。

ローカルモーターズは2007年設立。創業当初よりマイクロファクトリーのコンセプトを掲げ、3Dプリンターを使った自己完結的な車づくりを展開していた。2016年には世界初の3Dプリント自動車Stratiを開発し、話題を集めた。その後は自動運転バスOlliの製造を行っていた。