コベストロがDSMのアディティブ・マニュファクチャリング事業を買収

ドイツの化学メーカー大手のコベストロが、オランダの化学メーカー大手のDSMのアディティブ・マニュファクチャリング事業を買収する。買収対象には、DSMアディティブ・マニュファクチャリングの称号で展開されている3Dプリンター用機能性樹脂製造事業や、サステナブル・コーティング樹脂関連事業などが含まれる。なお、買収価格などの詳細は明らかにされていない。

DSMは、3Dプリンター用素材のサードパーティーベンダーとして3Dプリンター黎明期から事業を展開してきたことで知られている。SOMOSブランドで提供されるSLA3Dプリンター用樹脂は、自動車、航空宇宙、医療などの産業セクターにおいて多く使われてきている。

DSMの共同CEOのディミトリ・ヴレーズ氏は、「今回の買収により、サイエンスベースと目的主導というDSMのビジネススタイルが維持されることになります。DSMにより多くのバリューをもたらし、お客様を含むすべての人に新たな戦略的可能性をもたらします。新たにコベストロの仲間に加わることで、新たなバリューとサステナビリティを獲得してゆくでしょう」とコメントしている。

コベストロは、ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州に拠点を置く化学メーカー。ポリウレタンやポリカーボネートなどの素材を中心に取り扱い、近年はアディティブ・マニュファクチャリング関連素材の領域への進出を強めている。同社はフランクフルト証券取引所に上場している。