GEのAIR2CO2プロジェクトが3Dプリンター製二酸化炭素抽出装置案を採用

地球温暖化の悪化に伴い、世界中で温室効果ガス削減に向けた解決策への需要が増加している。こうした需要をふまえ、GEは米国エネルギー省の支援のもと、カリフォルニア大学バークレー校と南アラバマ大学と共同でAIR2CO2 Contactorという装置の開発に取り掛かることを検討している。今回の開発には3Dプリンターが用いられ、同装置は空気中の二酸化炭素を抽出する仕組みになるという。

今回のプロジェクトには2年が費やされ、GEの研究者を筆頭に各大学の科学者や技術者らが参加する形になる。本プロジェクトに米国エネルギー省は150万ドルを、GEは50万ドルを投資した、計200万ドル(約2.億2000万円)の壮大なプロジェクトとなる。研究チームは熱交換テクノロジーと収着剤を用いた方法で、先述の技術の実現を目指している。

同チームは現在、類似した方法で空気中から水を抽出する技術を開発している。こちらのプロジェクトはAIR2WATERという名で、アメリカ国防高等研究計画局と共同で進めている。この仕組みが実用化されれば、戦地にいる軍事関係者の水分確保に用いられる予定だ。

GE研究所の責任者によると、今回のプロジェクトではGEの3Dプリンティング、温度管理、物質分野での幅広い見識と、UCバークレーの世界レベルの吸着材開発技術、そして南アラバマ大の吸着モデル形成・試験という、各参加団体の強みを合わせている。当技術が実現化した場合は、エネルギー分野における大規模かつ経済的な脱炭素化への応用に期待がかかる。