フランス軍が遠隔地基地で3Dプリンターを活用

フランス軍が遠隔地基地で3Dプリンターを活用し、話題になっている。フランス軍は、マリにある遠隔地基地でウルチメーカーとフォームラブズの3Dプリンターを活用し、プロテクティブ・シェルなどの消耗部品を製造している。約4500人の軍人が駐留する基地では、各種の消耗部品のサプライチェーンの確保が課題となるが、3Dプリンターを活用することでサプライチェーンを自己完結的に確保することに成功しつつある。

フランス軍のクエンチン需品調達係曹長は、「(フランス軍が大量に使用している)例えば、プジョーP4トラックの部品を例に挙げてみましょう。イグニションボタンが必要になった場合、本国に部品の支給を依頼します。その期間中、トラックは稼働できません。ひいては軍全体の稼働能力にも影響します。一方で、3Dプリンターを活用することで、イグニションボタンをわずかな時間で製造することができます。パーツを交換すれば、トラックはただちに稼働可能になります」とコメントしている。

クエンチン氏は、フランス軍は今後より多くの3Dプリンター用素材を試用し、3Dプリンターの活用範囲を拡大してゆくとしている。

軍隊が3Dプリンターを活用する機運は世界的に高まってきている。アメリカ空軍も、戦闘機などの航空機の消耗部品の製造に3Dプリンターを活用している。アメリカ海軍も、空母エセックス艦内に3Dプリンターを搭載し、各種の部品などの製造を行っている。自己完結的なサプライチェーンの確保が求められる軍隊においては、今後も3Dプリンターを活用がさらに進むと予想されている。