Orbexがヨーロッパ最大の3Dプリンターを開発

スコットランドのロケットメーカーのOrbexが、ヨーロッパ最大の3Dプリンターを開発したとして話題になっている。Orbexが開発した大型3Dプリンターは、メタル、チタン、アルミニウムなどを素材に、主にOrbexの「マイクロランチャー・プライム」用ロケットエンジンとターボポンプシステムの製造に使われる。Orbexは、年間35基のロケットエンジンを製造したいとしている。

大型3Dプリンターの開発に伴い、Orbexは2400万ドル(約25億2千万円)の資金調達を成功させた。出資したのはイギリスの投資企業BGFや、オクトパス・ベンチャーズなどを筆頭とする投資グループ。オクトパス・ベンチャーズはヨーロッパ最大のベンチャーキャピタルとして知られている。

Orbexのクリス・ラーモアーCEOは、「大型3Dプリンターの導入により、従来以上の製造スピードとアジリティーが獲得できました。大量生産が可能になり、ロケット製造とサプライチェーンのコストを大幅に削減できます」とコメントしている。

Orbexは2015年設立。小型ロケットメーカーを立ち上げるキックスターターのプロジェクトとして設立された。キックスターターのキャンペーンでは資金が集まらず、2018年にシードファイナンスで3000万ポンド(約41億5千万円)の資金調達に成功し、ロケットの開発を開始した。Orbexでは、2022年に「マイクロランチャー・プライム」一号機の打ち上げを予定している。