サーブがグリペン戦闘機用パーツを3Dプリンターで製造して話題になっている。サーブが製造したのはエクステリアハッチと呼ばれる機体用部品。スウェーデンのリンショーピンにあるサーブの工場上空でテスト飛行が行われ、耐久性や安全性などが確認されたとしている。
サーブの開発プロジェクト担当マネージャーのハカン・ステーク氏は、「フライト後のインスペクションの結果は非常に良好で、目に見える物理的な異常は認められませんでした。このアプローチの可能性は、現場のメンテナンス担当者に必要なスペアパーツ製造の手段を与え、本部に部品供給の緊急要請を出したり、同型機の共食い整備をしたりする必要がなくなることです。また、機体の修理にかかる時間を、これまでより大きく削減できる可能性があります」と説明している。
サーブは当初、交換パーツそのものが存在していなかったため、当該箇所を3Dスキャナーで読み取り、3Dモデルを作成したという。また、素材にはハイパフォーマンス・ナイロンポリマーの「PA2200」が使われたとしている。
グリペン戦闘機は、サーブが開発したマルチロール型戦闘機。1988年に初飛行し、1996年から運用されている。スウェーデンのほかに、ブラジル、ハンガリー、チェコ、タイ、南アフリカなどに導入されている。グリペン戦闘機は運用開始から25年が経過しており、一部の部品の調達が困難になりつつあるとされる。