フォルクスワーゲンが3Dプリンターで人工呼吸器を製造へ

フォルクスワーゲンが3Dプリンターで人工呼吸器を製造するとして話題になっている。ドイツ政府の要請を受けたもので、ドイツ国内で操業中のフォード、GM、フェラーリ、日産にも同様の要請がされたとしている。なお、フォルクスワーゲンは125台の工業用3Dプリンターを所有している。

フォルクスワーゲンの声明によると、フォルクスワーゲンはタスクフォースを組織し、素材やサプライチェーンなどを総合的に精査し、人工呼吸器の具体的な製造方法の検証を開始したという。

フォルクスワーゲンの担当者は、「医療機器は我々にとってまったく新しい領域です。しかし、求められている要求内容を理解し、実際の青写真を描くことができれば、直ちに開始できると思います」とコメントしている。

フォルクスワーゲン傘下のポルシェも、保有する3Dプリンターを使って人工呼吸器の製造を行うことを検討している。ポルシェは現在、具体的な製造方法についての情報を収集している。

新型コロナウィルスの感染拡大が世界的に広がる中、感染の中心地はウィルスの発生源である中国からヨーロッパやアメリカへと移りつつある。本稿執筆時点で、ドイツ国内では32,986人が新型コロナウィルスに感染し、157人が命を落としている。感染拡大とともに医療現場では各種の医療物資が不足し、特に感染者の生命維持に不可欠とされる人工呼吸器の不足が懸念されている。