デンマークが1億7000万ユーロ規模の「植物由来代替肉ファンド」を組成

デンマークが1億7000万ユーロ(約280億5000万円)規模の「植物由来代替肉ファンド」を組成したとして話題になっている。ファンドの投資対象は植物由来代替肉のメーカーから、植物由来代替肉を使ったレストランなどの多岐に渡っており、デンマークの国全体で植物由来代替肉の啓蒙と普及を目指すものとなっている。

デンマークは、国土面積を日本の九分の一程度とする中で、農用地の面積は日本の六割の規模に達するとされる。また、農業産出額の3分の2が畜産によるもので、そのうち養豚が2分の1を占め、養豚はとても重要な産業となっている。デンマークでは、600万人の人口が3000万頭の豚を育てている計算になる。

デンマークでは、伝統的な食肉文化を維持する一方、植物由来代替肉などの消費拡大を目指している。「植物由来代替肉ファンド」の組成に合わせて、デンマークのコペンハーゲン・ホスピタリティ大学では、26人の卒業生に「植物由来調理師」の国家資格を授与している。

畜産業が伝統的に盛んなヨーロッパ諸国においては、伝統的な畜産業を保護するムーブメントと共に、植物由来代替肉などの産業育成を図る機運が高まっている。伝統的な畜産業と新たな代替肉産業とが共存できるのか、関係者は注目している。