デスクトップメタルのSPACによるニューヨーク証券取引所上場が話題に

アメリカの3Dプリンターメーカー、デスクトップメタルのSPACによるニューヨーク証券取引所上場が話題になっている。

デスクトップメタルは昨年12月8日、SPAC(Special Purpose Acquisition Company、特別買収目的会社)のトライン・アクイジション・コーポレーションに買収され、ニューヨーク証券取引所にIPOを果たした。

SPACは「白紙小切手会社」とも呼ばれ、IPOにより資金調達を行い、他社を買収することを目的とした会社のこと。SPAC自体は通常、設立時およびIPO時に何の事業も行ってなく、IPO後に何らかの事業を行う「事業会社」を買収する。SPACは通常、自らのIPO後2年以内を目途に事業会社を買収するケースが多いとされる。

SPACの仕組みは、スポンサーと呼ばれる投資家が出資してSPACを設立し、IPOして資金を調達する。SPACは調達した資金で事業会社を買収し、買収された会社が存続企業となり上場を続ける。ほとんどのケースで買収された会社の社名に変更し、事業を継続する。今回のデスクトップメタルのケースも同様だ。SPACを通じたIPOは、通常のIPOにくらべて簡単で低コストでIPO出来ることから、近年のアメリカで活用するケースが増えてきている。

あるアナリストは、今後IPOを予定している3Dプリンティング関連企業のうち、少なくない企業がSPACを使ったIPOを計画しているとしている。

2019年10月には、宇宙旅行会社のヴァージン・ギャラクティックがSPACを通じてニューヨーク証券取引所にIPOを果たしている。