アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、サンフランシスコに拠点を置くスタートアップ3Dプリンターメーカーのオリジンを1億ドル(約105億円)で買収する。ストラタシスはオリジンの株式を現金55500万ドルと自社株4500万ドルで購入する。
オリジンは2015年設立。独自開発したプログラマブル・フォトポリマリゼーション技術をベースにしたSLA3Dプリンター「オリジン・ワン」を開発している。オリジンの3Dプリンターは、特に医療、歯科医療、ツーリング、防衛、コンスーマーグッズなどの産業セクターのユーザーに広く利用されている。また、オリジン・ワンは、大手化学メーカーのヘンケル、BASF、DSMから樹脂素材の供給を受けている。
新型コロナウィルスのパンデミックが広がる中、ストラタシスとオリジンは今年4月に新型コロナウィルスの検査用スワブの販売パートナーシップ契約を締結していた。契約によると、ストラタシスはオリジンが製造する新型コロナウィルス検査用スワブを、ストラタシスの販売チャネルを通じて全米の医療機関や検査機関に販売するとしていた。
あるアナリストは、オリジンが事業を展開している工業アプリケーションのセクターは、アディティブ・マニュファクチャリング市場において今後最も成長が期待できるとしている。また、今回のオリジンの買収により、ストラタシスの今後五年間の売上は、少なくとも20%は拡大するとしている。