テキサス州オースティンに拠点を置く建設3Dプリンティング企業のICON(アイコン)が、アメリカ政府のスモールビジネス・イノベーションファンドを獲得した。獲得した資金は月面での3Dプリント住宅建設を目指すプロジェクト・オリンパスに投じられる。
ICONの共同創業者兼CEOのジェイスン・バラード氏は、「月面に住宅を建設することは、人類の歴史にとって最もチャレンジングなプロジェクトです。科学、エンジニアリング、テクノロジー、アーキテクチャーの、最高レベルのノウハウを集結する必要があります。(プロジェクトに参加している)他社とも協業し、人類初のプロジェクトを成功させたいと思います」とコメントしている。
ICONは、NASAのマーシャル宇宙飛行センターから月面岩石のシミュレーションモデルを入手し、地球上での3Dプリントテストを行っている。テストには同社のVulcan3Dプリンターが使われ、月面に建設される予定の高さ8.5フィート(約2.6メートル)の平屋建て住宅が3Dプリントされている。
ICONは、これまでに地元テキサス州オースティンに600平方フィート(約55.74平方メートル)の3Dプリント住宅を建設するなど、建設3Dプリンティングの領域でのプレゼンスを固めてきている。同社はまた、ボランティア団体のニュー・ストーリーと共同で、ホームレスのための3Dプリント受託を建設するプロジェクトなども展開している。