欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器のパーツを、スリーディーシステムズの3Dプリンターが製造したととして話題になっている。製造されたのは、LHCb SciFiトラッカーのクーリングパイプで、スリーディーシステムズのDMPメタルパウダー3Dプリンターで製造された。
LHCbは、Large Hadron Collider beauty(大型ハドロン衝突型加速器ビューティー)の略で、全長27キロメートルの加速器の中で、ハドロンが衝突してビューティーと呼ばれるクォーク粒子が発生する地点。LHCbは、その地点で発生する各種のデータを収集する極めて重要なパーツとされる。それらを解析することで、ビッグバン理論解明のための基礎データが得られるとしている。
LHCbの製造には、スリーディーシステムズに加え、オートメーションNV、LETI-3S、ソマシスなども協力している。なお、今回の功績により、スリーディーシステムズは欧州原子核研究機構から2019年度LHCb産業賞を授与された。
欧州原子核研究機構は、研究用機器などのプロトタイプ製造などに、3Dプリンティングなどのアディティブ・マニュファクチャリング技術を積極的に導入していることで知られている。