シンガポールで3Dプリント銃の設計図ファイル所有を禁止する法律が成立

現地時間の今月5日、シンガポールで3Dプリント銃の設計図ファイル所有を禁止する法律が成立した。シンガポール議会を通過した「銃、爆発物、武器管理法」は、3Dプリント銃の設計図を納めたファイルの所有を禁止するほか、実際に3Dプリントされた銃やパーツの所有を禁じている。違反した個人には5万シンガポールドル(約399万円)の罰金が、法人には10万シンガポールドル(約798万円)の罰金が、それぞれ課される。また、3Dプリンターを使って銃などを製造するメーカーに対しては、製造許可を取得することを求めている。

シンガポール内務省は、インターネットの普及により3Dプリント銃の設計図へのアクセスが容易になり、実際にダウンロードされるケースが生じていることに対応するため、新たに法律を定めたとしている。

3Dプリンターを使って銃やパーツを製造する機運は世界的に高まっている。アメリカでも、ウェストバージニア州在住の男が3Dプリンターでセミオートマチック銃をフルオートマチック銃に改造するためのパーツを600点製造し、違法に販売していたとして逮捕される事件が発生している。

シンガポールでは銃の所有は合法だが、所有するための免許を取得する必要がある。免許の取得には銃を保有する明確な理由が必要で、実際には警察、軍、警備会社などに限定されている。また、銃を使った犯罪については非常に厳格で、拳銃を発砲したことで死刑が課せられた事件も発生している。