NASAが3Dプリントロケットエンジンの燃焼試験に成功し、話題になっている。アラバマ州ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センターで行われた試験では、3Dプリンターで製造された銅合金燃焼チェンバーとノズルの耐久性などが重点的に検証され、従来の製造方法によるものと性能に差がないことが判明した。NASAでは、3Dプリンターによるロケットエンジンの本格的な製造の道が開けたとしている。
燃焼試験を担当したNASAのトーマス・ティーズリー氏は、「この3Dプリンティングテクノロジーはこの領域におけるゲームチェンジャーになるでしょう。特に今回の燃焼試験は、NASAが計画している月面探査と火星探査プロジェクトで使われるロケットの製造における、極めて重要なステップになります」とコメントしている。
ティーズリー氏によると、NASAは280秒の燃焼時間のために23回の事前テストを繰り返し、安全性や耐久性などが検証されたという。試験結果はNASAの公式Twitterアカウントでも共有され、多くのフォロワーにリツイートされている。
ロケット本体やロケットエンジンの製造に3Dプリンターを使う機運は世界的に高まっている。カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置くスタートアップ企業のリラティビティ・スペースも、ロッキードマーティンと共同で、NASAのアルテミス計画で使われる予定の新型ロケットエンジンを3Dプリンターで製造している。