イタリアのフィレンツェにあるサン・ジョバンニ洗礼堂の入り口扉が3Dプリンターで修復され、話題になっている。入り口扉は700年前に作られたもので、経年劣化や大気汚染などにより修復が必要な状態になっていた。
修復を行ったのはイタリアの3Dプリンティング企業のプロトテックを中心とするプロジェクトグループ。オリジナルの入り口扉を3Dスキャナーでスキャニングし、3Dモデル上で修正した後、複数のパーツに分解した上でスリーディーシステムズのプロX500 3Dプリンターでプリントされた。プリントされたパーツは、ロストワックス・キャスト用型枠として使用された。
サン・ジョバンニ洗礼堂は11世紀に寄港されたロマネスク建築で、フィレンツェに現存する最も古い建物のひとつ。屋根部分は1128年に、内陣は1202年に完成され、現在の入り口扉は14世紀に作られたと推定されている。入り口扉は、高さ5メートル、幅4メートルの巨大な作りとなっている。
サン・ジョバンニ洗礼堂はフィレンツェの観光名所のひとつで、毎年多くの観光客を集める人気スポットとなっている。通常は元日、イースター、クリスマスを除くすべての日で入場できるが、現時点ではイタリアの新型コロナウィルス感染拡大により、閉鎖されている。