早稲田大学とシンガポール国立大学の研究チームが、大豆発酵食品(おから)が脂肪代謝を改善し、食事誘発性肥満の影響を緩和する可能性があることを発見した。発酵させたおからを加えた高脂肪食を与えられたマウスは、同じ食事を与えたが発酵させたおからを与えていないマウスに比べて3週間後の体重増加が少なく、脂肪とコレステロールのレベルも低くなっていることを示したという。同研究チームが今年2022年2月に学術誌「Metabolites」で発表した。
シンガポール国立大学物理学・数学学部のケン・リー・シニア研究員は、「今回の我々の発見は、発酵したおからが高脂肪の食生活から生じる肥満の危険性を緩和する可能性を示しています。食生活という、すぐには変更できない、変更するのが簡単ではないライフスタイルを抱えているといったケースにおいては、特に有効であると考えます」とコメントしている。
おからは豆腐や豆乳などの製造過程で生まれるが、年間1400万トン程度が廃棄されているという。研究チームは、廃棄されるおからを3Dプリンター用「インク」として活用することで、フードロスと肥満という二つの問題を同時に解決できないかと期待している。