独自の超高解像度マイクロ3Dプリンティング技術を搭載した3Dプリントシステムを開発・販売するBMF(Boston Micro Fabrication、ボストン・マイクロ・ファブリケーション) は、最新のケーススタディとしてカリフォルニア大学バークレー校によるCOVID-19検査用の3Dプリンティングモデル製作の事例を公開した。
マイクロ流路多重化モデルは、研究者が正常な生物学的プロセス・病原体又は薬理学的プロセスを測定・評価するため、タンパク質バイオマーカーや生物学的特性の分析ツールとして使用される。微量の液体や流れを扱うマイクロ流路は、臨床診断用のポイント・オブ・ケアデバイスに広く使用されており、がんやCOVID-19などの複雑な実験手順において、複数のタンパク質バイオマーカーを定量的に測定する多重計測研究をサポートしている。
カリフォルニア大学バークレー校では、これまでフォトリソグラフィーを使ってモデルを製作していたが、その方法では複雑なアライメントステップや多重露光などのデメリットがあり、しかも何度も繰り返す必要もあり、同じ高さで同じ平面上の形状しか造形できなかった。
ところが、10μmの光学解像度を持つBMFのマイクロアーチS140 3Dプリンターを使ってテストパーツを製作したところ、50μmのチャネルを造形でき、しかも積層する各層を正確に配置できた。さらに同一モデルに8本のチャンネルを収めることができ、労力を増やさずにデバイスの複雑さを向上させられたという。
研究チームは、「シリコンフォトニクスをチップに搭載して回路を動作させるためには、フォトニクス、マイクロ流路、回路の統合が非常に重要です。既製のフォトニクスとエレクトロニクスを使用しながらマイクロ流路をカスタマイズできることで、1チップあたり数万ドルのコスト削減を実現しています。マイクロ3Dプリンティングは、パッケージングコストを削減し、より迅速で低コストな設計をサポートしてくれます」とコメントしている。