http://www.amity.edu/international/Deakin-University.aspx?Universityid=8
オーストラリアのディーキン大学の研究チームが、嚥下障害(食べ物を飲み込むのが困難な症状))に苦しむ人の食事を3Dプリンターで製造し、話題になっている。
心臓発作、痴呆、脳障害などを経験した人の少なくない数が嚥下障害に苦しんでおり、その割合は全世界人口の8%に及んでいるという。専門家は、嚥下障害の患者は出来るだけ高繊維質の食物や、固いものを避けるようアドバイスしているが、これまでの嚥下障害患者用食は粥状のものが多く、食欲をそそるものではなかった。
研究チームはツナ缶、がぼちゃのピューレ、ビート根などを材料に、患者に応じてビタミンやミネラルを混ぜ合わせて3Dプリンターで出力した。3Dプリンターはドイツの3Dプリンターメーカーのエンビジョンテックの3Dバイオプロッターが使われた。
ベッドにはセルロースフィルムが使われ、ベッドの上に患者ごとの食事がプリントされた。完成品は地元のシェフによって試食されたという。
研究チームでは研究を続け、今後五年程度かけて技術を向上させてゆきたいとしている。
食品を素材にするフード3Dプリンターの開発は世界中で行われているが、医療食の製造に3Dプリンターが使われるのは世界初と見られる。