イスラエルのフィラメントメーカーのフィラメント2が、先月2024年11月19日からドイツのフランクフルトで開催されたFormnext 2024で、世界初の3Dプリンター用シリコンフィラメントをリリースしていたことがわかった。一般的なFDM(熱溶融積層法)方式の3Dプリンターであればほぼすべての機種で利用できるという。
FDM方式の3Dプリンターでは、PLAやABSなどのポリマー系フィラメントが多く使われており、最近はナイロンなどのフレキシブル素材も一部で利用できるようになってきている。シリコンはフレキシブルである一方で、耐熱性と耐久性に優れており、特に医療用デバイスの製造用資材として多用されている。シリコンがフィラメントのポートフォリオに追加されることで、3Dプリンターで製造されるアプリケーションの幅が大きく広がると期待される。
シリコンは、シロキサン結合による主骨格を持つ、合成高分子化合物の総称。20世紀初めにイギリスのフレデリック・キッピングが合成に成功され、1940年頃からアメリカを中心に耐熱絶縁体としての利用が拡大した。シリコンは、1943年にアメリカのコーニング社によって製品化されている。
シリコンは一般に無色無臭で撥水性を持ち、相当する炭素骨格ポリマーに比べて耐油性・耐酸化性・耐熱性が高く、不導体であり、重合度や置換基などの違うさまざまな形態の製品が提供されている。