シドニー市が3Dプリンター用フィラメントリサイクル施設を開設

オーストラリアのシドニー市が、3Dプリンター用フィラメントリサイクル施設を開設したとして現地で話題になっている。世界初となる公的3Dプリンター用フィラメントリサイクル施設が開設されたのはオーストラリア・ニューサウスウェールズ州レーンコーブで、ニューサウスウェールズ大学サステナブルマテリアルズ研究技術開発センターの協力を得て実現した。

リサイクル施設では廃棄された電子機器などからハードプラスチックなどを回収し、3Dプリンター用フィラメントなどへリサイクルする。ニューサウスウェールズ大学のヴィーナ・サハジワラ教授は、「我々は電子機器などのハードウェアで使われているハードプラスチックを、(3Dプリンティングなどの)成長著しいブーミングセクターで使われるフィードストックへリサイクルします」とコメントしている。

オーストラリアでは、3Dプリンターで使われるフィラメントは主に輸入した石油を原料に製造されてきた。廃棄されたプラスチックをリサイクルすることで、バージンプラスチックの使用量を削減することが可能になると関係者は期待している。

オーストラリアでは現在、年間340万トンのプラスチックがゴミとして処分されており、そのうち13%だけがリサイクルされている。オーストラリア政府は、プラスチックを適切にリサイクルすることで、年間4億1900万オーストラリアドル(約419億円)程度の経済効果が創出できると試算している。