海水中のバイオプラスチック劣化研究で3Dプリンティングが活躍

韓国の研究者らは最近の研究で、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペート・コ・テレフタレート(PBAT)の3種類の生分解性プラスチックについて、土壌と海水の両方の環境における分解挙動を調査した。

Polymer Testing誌に掲載されたこの研究は、先述の材料の複雑な分解過程に光を当てたものである。土壌実験では、PCLとPBSはさまざまな程度の分解を示し、PCLは施肥土壌でかなりの分解を示した。一方、PBATはどちらの土壌環境でも最小限の変化しか示さなかった。

テストのひとつは、頭足類の養殖で一般的に使用されるPCL釣瓶を3Dプリントするものだった。その目的は、生分解性プラスチックが水産業での使用に適しているかどうかを調査することであった。

海水試験の結果、PCLの分解速度は水の循環に影響されることが明らかになった。さらに、韓国沖で実施された実際の海洋試験では、実験室の条件と比較してPCLの分解が促進され、PBATの分解速度が最も遅いことが示された。

研究者たちは、「サンプルの機械的特性は、著しい弱化が起こるまで数ヶ月間維持されました。これは、ゴーストフィッシング(廃網やプラスチックによって海洋生物が殺されること)を防ぐことができ、漁具の非分解性材料の代替品として生分解性プラスチックが応用される可能性を裏付けるものです」と指摘した。

興味深いことに、微生物の増殖は栄養分や水循環などの環境要因に影響されることが判明し、生分解性プラスチックとその周辺環境との相互作用を理解することの重要性が浮き彫りになった。

この研究は、生分解性プラスチックの効果的な利用を導き、プラスチック汚染を軽減するために、さまざまな環境における生分解性プラスチックの性能を総合的に評価する必要性を強調している。生分解性プラスチックの分解メカニズムに関する洞察を得ることで、科学者や政策立案者は、より持続可能な未来に向けて、十分な情報に基づいた決定を下すことができる。