イギリスのブリストル大学の研究チームが、サージカルマスクを3Dプリンター用フィラメントにリサイクルして話題になっている。研究チームは、不良品などの未使用のサージカルマスクを回収し、ポリプロピレン樹脂のペレットとフィラメントにリサイクルしている。研究チームによると、サージカルマスクを3Dプリンター用フィラメントにリサイクルするのは世界初だという。
現在、世界では1カ月あたり1290億枚のサージカルマスクが使われていて、1日あたり34億枚が廃棄されているという。多くはゴミとして埋立地などに廃棄されているが、完全に自然分解されるまでに相当の時間が必要で、さらに大量のマイクロプラスチックを排出するという問題が存在する。関係者は、フィラメントにリサイクルすることでサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に近づきたいとしている。
研究チームは、今後も研究を継続し、より大型の3Dプリンター用フィラメントの開発などを行いたいとしている。
ブリストル大学(University of Bristol)は、1876年設立のイギリスの公立大学。イギリスで最初に女子に門戸を開いた大学であり、卒業生・在籍者・教職員から13人のノーベル賞受賞者を輩出している。2020年のQS世界大学ランキングでは世界49位にランクインしている。