イギリスの3Dプリンター用フィラメントメーカーの3Dフィラプリント(3D FilaPrint)が事業を停止した。3Dフィラプリントは、イギリスのEU離脱(Brexit)による関税負担の増加や、新型コロナウィルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻などによるマクロ経済全体の低迷が、同社製品需要の縮小を招いたとしている。
3Dフィラプリントは、高品質でリーズナブルな価格帯のフィラメントを、主に工業デザイナーやマニアユーザーなどのヘビーユーザーに供給してきた。同社のフィラメントはイギリス国内市場に加えて、ヨーロッパ、アメリカ、アジア太平洋地域などで幅広く販売されていた。
3Dフィラプリントに近い関係者によると、イギリスでは最近、中国のフィラメントメーカーによるAmazonなどのネット通販を使ったフィラメントの格安販売が市場シェアを伸ばしている。そうしたメーカーの多くは低価格を売りにし、低品質のフィラメントを低価格で販売する悪循環を発生させているという。
3Dフィラプリントは2019年1月設立。イギリス・ロックフォードに拠点を置き、「プレミアムPLA」「PET-G」などの高品質フィラメントを製造・販売していた。3Dフィラプリントは、設立からわずか5年で事業の幕を閉じることとなった。