アメリカの3Dプリンターメーカーでニューヨーク証券取引所上場のデスクトップメタルが、総額2億5000万ドル(約375億円)規模のシェルフオファーリング(Shelf Offering)を実施する。2024年2月14日に証券取引所委員会に提出された書類によると、シェルフオファーリングではクラスAの普通株7500万ドル分に加え、優先株、転換社債、ワラントなどの複数の証券類がストアされるという。
シェルフオファーリング実施の発表を受け、ニューヨーク証券取引所で取引されている同社の株は5セント値上がりして1株0.66ドルで取引を終えた。
シェルフオファーリングは、証券類の発行会社が一度にすべてを売却するのではなく、シェルフに登録して預けることができる仕組み。証券取引委員会の規程によると、シェルフオファーリングを実施した企業は、最大三年間証券類をストアすることができるとしている。
デスクトップメタルの株は長らく1株1ドルを下回る価格での取引が続いている。ある証券関係者は、株価の低迷が続くデスクトップメタルが、シェルフオファーリングを活用することで新たな資金調達手段の選択肢を増やす目論見があると指摘している。
デスクトップメタルに対しては、別の大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが買収を提案していたが、昨年末に実施された株主総会で決議が否決され、頓挫している。