大手水産食品会社のマルハニチロが、シンガポールのスタートアップ企業のウマミ・バイオワークスと協業契約を締結した。マルハニチロのプレスリリースによると、マルハニチロは細胞培養技術を用いて生産する「細胞性水産物」の開発と事業化を目指し、培養魚生産のパイオニア企業ウマミ・バイオワークスと魚類の細胞培養技術の確立に向けた取り組みを推進する。
マルハニチロは2021年8月以降、細胞培養における国内先進企業と細胞性水産物の共同研究開発に取り組んでいるが、国内に加えて海外企業との協業を図ることにより研究開発体制の拡大充実と早期事業化への歩みを加速させたいとしている。
ウマミ・バイオワークスはシンガポールに拠点を置くバイオテクノロジー企業で、培養魚の自動生産プラットフォームを構築している。同社はこれまでに試食可能な細胞性水産物の開発に成功している。
マルハニチロは、1880年に山口県下関市で創業した水産加工大手のマルハ(旧大洋漁業)と、1906年に新潟県三条市で創業した水産加工大手のニチロが2007年に経営統合して誕生した。直近(2023年3月期)の売上高は6897億円。同社は東証プライム市場へ上場している。