アメリカの穀物メジャーのカーギルが、代替肉市場への投資を強化するとして話題になっている。カーギルの代替肉市場への本格的な参入は、先行している代替肉メーカーのビヨンド・ミートやインポシブル・フーズにとって大きな脅威になる可能性がある。
カーギルのチーフ・テクノロジー・オフィサーで研究開発部門の責任者のフロリアン・チャッテンマン氏は、「我々は穀物という原料から加工肉などの最終製品まですべてを供給しています。しかし、派手なブランドで流通させているわけではありません。我々は我々の強みを理解しており、マーケットを過度に評価していません。今後25年から30年で、人類は現在より70%多くのタンパク質の供給が必要になります。そのタンパク質は必ず供給されなければなりません。そして、我々がそのタンパク質の供給者となるのです」とコメントしている。
カーギルは1865年設立の、米ミネソタ州ミネアポリスに拠点を置く穀物メジャー。穀物のみならず精肉・製塩など食品全般及び金融商品や工業品に営業範囲を広げている。昨年2022年度の売上高は1650億ドル(約23兆1000億円)に達し、アメリカ最大の売上高を持つ未上場企業として知られている。近年は水産養殖業に注力し、タイやベトナムなど東南アジアに研究開発拠点を設けたり、飼料メーカーを買収するなど動きを多極化している。