ポーランドの3Dプリンターメーカーのゾートラックスが、ロシア企業との資本提携契約を破棄した。ゾートラックスの発表によると、ゾートラックスはロシアのルサトム・アディティブ・テクノロジーズによる6500万ドル(約74億7500万円)の出資計画を白紙撤回し、契約を破棄したという。当初の計画では、ルサトム・アディティブ・テクノロジーズは出資後、ゾートラックスの筆頭株主になる予定だったという。
資本提携契約撤回について、ゾートラックスのマリウス・バブラCEOは、「ロシアによるウクライナ侵攻により、我々は大きなショックを受けるとともに、大きな怒りを覚えました。そうした行為を行わせる資本を受け入れることで、ゾートラックスのミッションを実現することは出来なくなります。それゆえ、ロシアの国営企業であるルサトム・アディティブ・テクノロジーズとの交渉から離脱することを決意しました」と説明している。
ロシアのウクライナ侵攻により、ロシアとの商取引を解消するケースが出始めている。ドイツのメタル・ポリマー3DプリンターメーカーのEOSも、ロシアのユーザーとの取引を解消すると発表し、業界関係者の注目を集めた。
ゾートラックスは2013年設立。独自開発したLPD(layer plastic deposition) ベースのFDM3Dプリンターを開発し、主にアメリカとヨーロッパ市場で販売している。