イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、NASDAQで2億5千万ドル(約262億5千万円)を調達した。これにより、同社がNASDAQで調達した資金の総額は6億5700万ドル(約689億8500万円)となった。ある市場関係者は、ナノ・ディメンションは販売チャネル拡大のための大型M&Aを計画していると話している。
NASDAQで取引されているナノ・ディメンションの株は急騰している。特に新型コロナウィルスのパンデミック開始後の2020年3月から今日までに1300%も上昇し、同社の時価総額を12億ドル(約1260億円)にまで押し上げている。一方で、ナノ・ディメンションの直近の年間売上は150万ドル(約1億5750万円)しかなく、売上と販売チャネルの拡大が喫緊の課題になっている。
資金調達について、ナノ・ディメンションのヨアヴ・スターンCEOは、「新型コロナウィルスのパンデミックの影響を受ける中、我々は現在、我々の強力なキャッシュポジションをどのようにレバレッジするかフォーカスを調整しているところです。ウォールストリートは安定しておらず、多くのビジネスが資金不足に陥って破綻しています。幸いなことに、我々は株主からの力強い支援を受けています。調達した資金を更なる研究開発と、戦略的M&Aに活用してゆきます」とコメントしている。
ナノディメンションのドラゴンフライ3Dプリンターは、銀ナノ粒子を素材に電子基板をプリントするタイプのエレクトロニクス3Dプリンターで、オンデマンドで高速で多層プリント基板をプリントする事を可能にしている。