米カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置く3Dプリントロケットメーカーのリラティビティ・スペースが、NASAから小型人工衛星の打上契約を受注した。契約によると、リラティビティ・スペースはキューブサットと呼ばれる複数の小型人工衛星を、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地内の打上施設から打ち上げる。受注金額は300万ドル(約3億1500万円)で、2022年内の打上を予定している。
リラティビティ・スペースは、独自開発した大型3Dプリンター「スターゲート」を使い「テラン1」ロケットを製造している。リラティビティ・スペースによると、スターゲートはテラン1ロケットを、わずか60日で製造できるとしている。
リラティビティ・スペースの共同創業者でCEOのティム・エリス氏は、「(リラティビティ・スペースのようなスタートアップ企業に)打上の機会を提供しようというNASAの努力は、未来の宇宙ビジネスの発展のために極めて重要です。NASAが我々のテラン1製造における3Dプリンティングアプローチを選択してくれたことに非常に感謝しています」とコメントしている。
リラティビティ・スペースは、ロケット用部品の95%を3Dプリンターで製造していることで知られている。同社のテラン1ロケットは、競合他社のロケットよりも100分の1の数の部品で製造できるとしている。同社は2020年内のテラン1ロケットの初打ち上げを予定していたが、新型コロナウィルスのパンデミックの影響などにより、現時点までにスケジュールに遅れが生じているとしている。