2017年の3Dプリンターの世界を占う①

1.FDM3Dプリンター用素材のさらなる広がり。

普及が進む3Dプリンター。中でもFDM方式のデスクトップ3Dプリンターの普及が目覚ましい。現時点でもPLA、ABSなどのプラスチック系樹脂に加え、ナイロン、ゴムライク素材、ウッド系素材、金属系素材などが流通しているが、今年はさらに多くの種類のFDM3Dプリンター用素材が登場すると予想する。

中でもPEEKなどのエンジニアリングプラスチックや、カーボンファイバー、グラスファイバーなどの複合素材が、おそらく専用の3Dプリンターと共に供給されるケースが増えて来るだろう。

逆に言うと、一般的な素材しか使えないFDM方式の3Dプリンターは陳腐化が進み、価格の相対的な低下と共に、利用シーンの広がりが限定的になる可能性もある。

2.3Dプリンター用ソフトウェアの多様化

3Dプリンターを操作する管理ソフトに加え、ドローイング系ソフトで直接3Dプリンターで出力出来るものや、スキャナーと連動して3Dプリンターを操作するタイプのソフトといった新しいタイプの3Dプリンター用ソフトウェアが登場してくると予想する。

マイクロソフトは自社のドローイングソフト「ペイント」に3Dプリンターと連動させる機能を既に持たせており、他のドローイングソフトにもトレンドが伝播しつつある。

また、スキャナーと連動するタジプのソフトは、恐らく3Dプリンターと連動してモノを造形する機能と共に、バーチャルリアリティ(VR)系ソフトやゲームなどと連動する機能も提供されてくると思われる。

2017年は、スキャナー、VR、アバター、CGなどを組み合わせた新しいイノベーションが生まれて来る年になるだろう。

(続く)