シンガポール初の複数階3Dプリント住宅が完成したとして話題になっている。シンガポール現地メディアの報道によると、3Dプリント住宅を建設したのは地元の建設設計事務所パーク・アソシエイツを中心とするプロジェクトチーム。QR3Dと名付けられた3Dプリント住宅は四階建てで、地元の建設会社CES InnovFabの協力を元に大型建設3Dプリンターで建設された。
パーク・アソシエイツのプロジェクト担当者は、「3Dプリント住宅の斬新性によりエキサイトしていますが、我々としては今後何十年にも渡ってリスペクトされ続ける設計と評価されることを望んでいます。テクノロジーは住宅のエッセンスの価値を下げてはなりません。住宅の設計に関しては、トラディショナルなデザインのプロセスを踏襲し、その上で3Dプリンターでしか表現できない部分を盛り込むようにしました」とコメントしている。
3Dプリント住宅を構成するパーツの一部は、オフサイトでプレプリントされ、現場へ輸送されて設置された。オフサイトでプレプリントすることにより、ゲリラ豪雨などが発生しやすいシンガポールの気候に対応することができるとしている。
都市国家であるシンガポールでは、優良な住宅が慢性的に不足している。建設可能な土地が限定的であることに加えて、労務費を含む建設コストが恒常的に値上がり、高止まりしている。関係者は、建設3Dプリンターを導入することで建設コストが下げられる可能性があると期待している。