米海軍がヒューストン大学の研究者と提携し、生物脅威の検知におけるケミカルライトの利用を調査している。この共同研究は、普段はサイリウムなどとして娯楽的な目的で用いられるケミカルライトを、毒物やウイルスを識別するためのツールに再利用することを目的としている。
ビン・ヴー博士とカテリーナ・クーレンツィ博士が率いるヒューストン大の研究チームは、生物脅威の検知にケミカルライトを使用できる可能性を発見した。化学反応中に放出される明るい光を利用することで標的を照らし出し、簡単に識別することができる。研究チームは、COVID-19検査に似たラテラルフロー検査式のプロトタイプを開発した。
手順としては、表面を綿棒で拭き取り、サンプルをテストカセットに加え、液体グロー試薬の液滴で活性化する。カセットを3Dプリントされた「ダークボックス」内に置くと、カメラやスマートフォンアプリを使って検出でき、1箱あたり約2ドルのコストで、わずか15分で結果が得られる。
米海軍のこの技術への関心は、その手頃な価格とシンプルさに起因しており、公衆衛生上の緊急事態から軍事作戦まで、さまざまなシナリオに適応かつ配備可能な生物脅威識別ソリューションを提供する。
米海軍医学外科局のジェシカ・L・マクナルティ博士は、ヒューストン大学とのパートナーシップがもたらす生物防御能力強化の可能性を強調している。リチャード・ウィルスン博士は、医療検査や環境モニタリングへの応用など、この技術の広範な用途に期待しているそうだ。プロトタイプは、米海軍による検証テストを受ける予定であり、緊急の課題に取り組む上での学際的協力の価値を示している。
この研究のおかげで、ケミカルライトは科学、技術革新、実用化の交差点にある有望なツールとして登場し、コンサートの応援グッズから生物脅威検出の重要な機器へと変貌を遂げた。