大阪大学の研究チームが、3Dプリンターで和牛の代替肉の製造に成功した。大阪大学大学院工学研究科の松崎典弥教授率いる研究チームは、培養した和牛のバイオインクを素材に筋繊維などを3Dプリントし、脂肪や血管などと併せて繊維組織ファイバー化、ステーキ肉状に造形することに成功した。ファイバー三種の位置や分量を調整することで、味や食感などをカスタマイズすることが出来るという。
3Dプリンターを使って代替肉を製造する機運は世界的に高まっているが、これまでの技術では、培養したバイオインクを単体でプリントし、挽肉として出力する形式が一般的だった。今回の技術開発により、ハンバーグ状の代替肉ではなく、本格的な和牛ステーキの代替肉を製造できる可能性が高まった。
研究チームは、世界人口が2050年に97億人に達するという国連予想を挙げ、本物の肉に近い食感を再現できる技術は、人類のタンパク質不足問題の解決策になり得ると主張している。またた、3Dプリンター以外の自動製造装置を開発できれば、場所を問わずどこでも培養肉の製造が可能になるとしている。
本研究成果は、8月24日に英国科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された。