カナダ・アルバータ州にある王立ティレル博物館が、3Dプリンターでティラノサウルスの化石のレプリカを製造しているとして話題になっている。
王立ティレル博物館のエイミー・ノワルチャク技術員は、「化石学や考古学の世界では、恐竜の化石のように極めて貴重で、非常なデリケートなものを数多く扱います。手荒に扱って破損させてしまうリスクが常にあります。(3Dプリンターでレプリカを作ることで)来館者に展示することも可能になります。また、恐竜の頭蓋骨の化石のように複雑な形状の化石のレプリカを作ることで、構造などをより詳しく研究することが可能になります」とコメントしている。
博物館や美術館などの文化施設で3Dプリンティング技術を活用する機運は世界的に高まっている。アメリカを代表する博物館のスミソニアン博物館も館が所有する展示物の3Dモデルのダウンロードサービスしたほか、ニューヨークのメトロポリタン美術館も同様のダウンロードサービスを開始している。ある3Dプリンター業界関係者は、3Dプリンターの世界的な普及とインターネットを通じた3Dモデルの流通の拡大が、博物館による3Dプリンティング技術の活用を促進していると分析している。