オーストラリアのアディティブ・マニュファクチャリング企業が、世界最大のチタン製ロケットを3Dプリンターで製造したとして話題になっている。現地時間の先週ドイツのフランクフルトで開催されたformnext 2019で公開された。
チタン製ロケットを製造したのはオーストラリアのティトミック社。クイーンズランド州に拠点を置くギルモア・スペース・テクノロジーズと共同で開発した。高さ5.5メートルの大きさのロケットは、ティトミック社の大型メタル3Dプリンター「TKF9000」で製造された。
TKF9000は9 x 3 x 1.5メートルの造形サイズを持つ大型3Dプリンターで、毎時20キログラムのスピードで造形可能。高さ5.5メートルの大きさのロケットの製造に、わずか27.6時間しかかからなかったという。
チタンは優れた耐久性と軽量さから、ロケットをつくる材料としては古くから注目されていた。一方で、チタンを一定の造形制度を確保しながら3Dプリントすることの技術的な課題が多く、これまでに実現できなかった。今回のティトミック社の成功により、3Dプリンターを使ったロケットづくりに新たな選択肢が加わることとなった。