ポーランドの研究チームが、3Dプリンティング時に発生する揮発性物質などは人体に無害レベルと判定した。
同研究チームの調査は、一般的なFDM方式の3Dプリンターで使われるABS、PLA、PET、ナイロンを対象に行われた。
調査結果によると、化石燃料由来プラスチックの場合、460-600℃の高温で溶融されると有毒ガスが発生する可能性があるが、一般的なFDM方式の3Dプリンターのノズルの溶融温度は高くても250℃のため、問題ないという。
また、ABSを素材にした際の有機物質の排出状況を調べたところ、一時間で100万分の280程度の排出が確認された。このレベルであれば特に人体に危険性はないという。PLAの有機物質の排出レベルも、ABSより32%低いという。
同研究チームは、3Dプリンターの種類やフィラメントのサイズなどを変えて更なる調査をする必要があるともしている。
3Dプリンティングの安全性を巡って、各国で調査が相次いでいるが、3Dプリンティングの危険性を否定する調査結果が出されたのは今回が初めてと見られる。FDM方式の3Dプリンターについては、フィラメント溶融時に各種の有機物質が排出される事が確認されており、その安全性についての更なる検証が行われるものと見られる。